西部謙司 フットボール・ラボ

【Jクラブ戦術フォーカス/清水エスパルス】J1最多失点も守備力は悪くない。万能型で別格のドウグラスと西澤健太のブレイク。スタートダッシュの失敗がなければ…

スタートダッシュの失敗が響き、低迷した清水エスパルスだが、篠田監督に交代後は立て直しに成功。あと少しで残留争いから抜け出せる気配だ。今季のポイントはどこにあったのか? また清水らしいサッカーの復活はなるのか?

組織的な守備とブラジル・トリオの貢献度。響いた序盤の失敗…。清水らしいサッカーの復活なるか?

29節時点での順位は13位、41得点は9位ですが失点は最多の62。自動降格圏とは6ポイント差ですから予断は許さない状況です。得失点マイナス21点はけっこう重くのしかかっています。

ただ、清水エスパルスの現状の守備がそんなに弱いとは思いません。篠田善之監督に代わってからは改善されています。ヤン・ヨンソン前監督の11試合で26失点、篠田監督下の18試合で36失点。1試合平均では2.36失点だったのが2.0に減っています。第23節の札幌戦での8失点がけっこう影響していて、それがなければ平均で1点台(1.64)まで下がります。もちろん、8失点をなかったことにはできないわけですが、この試合の清水は日程がタイトでしたし、点のとられ方もリードを挽回しようと無理した結果かえって差が開くという流れでした。まあ、例外としていいんじゃないかと。平均1.64失点としても多いわけですが、J1最多失点は現在の守備力を表していないとは思います。

4-2-3-1が基本の清水エスパルス。北川が移籍し、主力だったDF吉本一謙、GK六反勇治が負傷で離脱している。

システムは4-2-3-1。

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