西部謙司 フットボール・ラボ

【J1第30節分析レポート① 札幌3-0名古屋】進化版ミシャ式で快勝の札幌。弱点が露呈した名古屋。ブロックの強度はあっても崩されてしまう根本的な原因とは?

今週のJリーグ分析レポートは、J130節の北海道コンサドーレ札幌vs名古屋グランパス、湘南ベルマーレvsガンバ大阪を2回に分けてレポートします。それぞれ、「名古屋の弱点」と「宇佐美貴史」にフォーカスです。

守備を整備するも…フィッカデンティ監督には時間が足りなかった?

ルヴァンカップでは惜しくも準優勝だった北海道コンサドーレ札幌が名古屋グランパスをホームに迎えて3-0と快勝しています。

35分にCKから深井一希がヘディングシュートで先制、71分のPK(鈴木武蔵)で2点目、さらに86分にはワンタッチパスの連続から華麗に崩してルーカス・フェルナンデスがダメ押しで3-0。鈴木、アンデルソン・ロペス、チャナティップのトリデンテは相変わらずの迫力です。ビルドアップが定型のミシャ式ではなく、状況に応じて下りてくる選手は変わり、形状変化も臨機応変。進化版ミシャ式ですね。

名古屋視点で見ていくと、現状の弱点が露呈していたゲームだったと思います。

マッシモ・フィッカデンティ監督になってから守備に安定感のある4-3-2-1を採用したことは以前にも書いたとおりです。札幌戦は4-2-3-1でしたが、守備の方法論はそんなに変わりません。ゾーンの守備ブロックをしっかり作って迎撃します。

札幌と名古屋のスタメンと並び。

序盤の札幌はボールを持てても、整然とした名古屋の守備ブロックをなかなか崩せませんでした。名古屋はパスワークが上手いので、奪ったボールをつないで逆襲につなげていけます。いわゆる堅守速攻で十分戦えそうな感じでした。ところが、35分にCKから失点したあたりから雲行きが怪しくなっていきます。

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