西部謙司 フットボール・ラボ

【集中連載:優勝争いを占う】マリノスの前に強力なライバルが立ちはだかる。攻略すべき川崎のキーマンは4人。重要な鍵を握る「開始15分」の戦い方

いよいよ残り2節となったJ1。前節を終えてついに首位に立ったマリノスだが、今節立ちはだかる相手はライバルである川崎フロンターレ。強力な壁を打ち破るために何が必要なのか? 攻略すべき川崎のキーマンを徹底解剖する!

ここ一番に強い川崎フロンターレが用意する“仕掛け”とは?

33節は川崎フロンターレと横浜F・マリノスの激突があります。これは凄い試合になりそうですね。

川崎は第19節のFC東京との大一番を3-0で快勝しています。あのときは、これで勢いに乗るんじゃないかとも思ったのですが、その後に失速して優勝争いから後退してしまっています。ただ、ここという試合での強さは印象的でした。

そのFC東京戦で、試合後に中村憲剛が「相手の得意なことをやらせずに、自分たちの良いところを出す」と話していました。それが出来ればどんな試合でも勝つ可能性は大きいでしょうが、そんなに簡単にはできないと思います。川崎はFC東京の強みであるカウンターアタックを封じていました。引いてスペースを消すのではなく、ハイプレスでカウンターの芽を摘んでいます。高い位置での守備は、川崎の得意とする攻撃にもつながっていて、まさに一石二鳥でした。ただ、一歩間違えばFC東京のファストブレイクにやられるリスクもあったはずです。そこを乗り切れるコンディションと集中力が決め手だったように思います。

横浜F・マリノスの最大の長所もカウンターアタックです。ただ、FC東京のようなファストブレイクだけでなく、ハイプレスをパスワークでかわしてカウンターに持っていく力もある。川崎がハイプレスに行くと、逆にまともにカウンターを食らう危険はありそうです。となると、引いてスペースを消してしまうのが良さそうですが、すると反対に横浜FMのハイプレスを川崎がかわしきれるかという課題が出てきます。

横浜FMはおそらくこれまでのスタイルを変えないと思われるので、何か仕掛けるとすれば川崎のほうでしょう。

川崎のキーマンは“序盤”の田中碧、“中盤”の家長昭博、大島僚太、“終盤”のレアンドロ・ダミアン …

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