西部謙司 フットボール・ラボ

清水のスタイルこそジャパンズウェイ―ブラジルに憧れた日本人による日本人のサッカーを体現した1999年の清水エスパルス【Jリーグ・タイムトラベル】

日本一のサッカーどころ清水が目指したサッカーは日本人による日本人のためのブラジルスタイルだった。静岡の2チームが雌雄を決した1999年にJリーグタイムトラベル!

オール静岡のチーム構成でステージ制覇

この年を代表するチームは清水エスパルスでしょうね。ファーストステージはジュビロ磐田が優勝、清水はセカンドステージで優勝しています。チャンピオンシップはPK戦で磐田の優勝でした。しかし、年間に獲得した勝ち点では清水が65ポイント、磐田が49ポイントでけっこう差があります。

Jリーグアウォーズでもアレックス(三都主アレサンドロ)がMVPに選出されたほか、ベスト11に清水の選手6人が入っています(真田雅則、斉藤俊秀、森岡隆三、伊藤輝悦、澤登正朗、アレックス)。

清水はJ開幕年からナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)、天皇杯など準優勝はしてもタイトルがなく「シルバーコレクター」なんて言われていましたけど、ついにステージ優勝を果たしました。

清水市はサッカーどころとして有名でした。小学校の新任教師だった堀田哲爾先生が子供の指導から始めて、選手や指導者を街ぐるみで育成する体制を作っていきました。清水を「日本のブラジルにする」という目標の下、テクニックに優れた人材を数多く輩出していきます。

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