西部謙司 フットボール・ラボ

Jリーグ史上最大の勝ち点差での優勝―2010年の名古屋グランパスはなぜ欧州で主流も日本ではマイナーなシステムで王者になれたのか?【Jリーグタイムトラベル】

Jリーグ史上稀に見るスマートなサッカーでの優勝と言えるのかもしれない。それほど機能性抜群の洗練されたシステムとサッカーは強く印象に残っている。名古屋が初の王者となった2010年のJリーグにタイムトラベル!

2位に10ポイントもの差をつけて悠々と初優勝

2010年、南アフリカワールドカップの中断期間前は清水エスパルスが首位でしたが、第13節からの中断明けから4連覇を狙う鹿島アントラーズ、浦和レッズ、ガンバ大阪、セレッソ大阪が優勝を狙う中、抜け出したのは名古屋グランパスでした。

終わってみれば、2位G大阪に10ポイント差をつけての悠々の優勝。名古屋はこれが初優勝でした。ドラガン・ストイコビッチ監督の3年目、エースのジョシュア・ケネディが17ゴールで得点王(前田遼一=ジュビロ磐田と同点)を獲っています。

このときの名古屋はJリーグではわりと珍しい4-3-3のフォーメーションでした。

GKに日本代表の名手、楢﨑正剛。闘莉王と増川隆洋のCBコンビは空中戦で敵なし。けっこう効いていたのがダニルソンですね。守備範囲が広くて守備力そのものも高かった印象があります。そしてCFのケネディの高さ。194センチはやっぱり異次元ですからね。

縦軸に長身選手、その周囲に俊敏で運動量のある選手を配したバランスのいい4-3-3だったと思います。

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