西部謙司 フットボール・ラボ

ついに着手された風間色から鬼木色へのシフトチェンジ。川崎フロンターレの大胆なモデルチェンジは吉と出るか?【Jリーグタイムトラベル】

2か月にわたってお送りした特別連載「Jリーグタイムトラベル」も今回で最終回。ラストを飾るのは2017年、2018年に連覇した川崎フロンターレ。風間前監督のスタイルを土台に着実に強化をはかってきた路線から、今季はいよいよ鬼木色のフロンターレへとシフトチェンジが図れられそうだ。近年の進化と今季の変革を占います。

今季、2連覇したパスワーク偏重のスタイルからの脱却は何をもたらすのか ?

20172018年というと、ついこのあいだなのでタイムトラベル感はありませんね(笑)。川崎フロンターレが連覇しています。

2012年に風間八宏監督が就任して、川崎は大きく変わりました。技術にフォーカスした指導でJ1有数の攻撃力のスタイルが確立されていきます。しかし、優勝は風間監督が退任後で、コーチだった鬼木達監督の下で達成しました。

風間監督下の5シーズンでも優勝のチャンスはあったのに惜しいところで届かなかった。それが鬼木監督に代わった途端にあっさり2連覇。この流れはサンフレッチェ広島でのミハイロ・ペトロヴィッチ監督→森保一監督とよく似ています。

ミシャ監督と風間監督は、どちらも攻撃特化型でした。ミシャ監督は守備練習をほぼしないと言われていましたが、風間監督の場合も「守備という言葉すら使わない」と中村憲剛は話していたものです。

「守備」を「失点しないこと」に置き換えると、川崎の場合はヘンなボールの失い方をしないことが失点減に直結していました。それだけボール支配力が高かった。なので、風間監督からすれば失点を防ぐには攻撃でミスを減らすのが一番効果的という結論だったのでしょう。

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