西部謙司 フットボール・ラボ

これからヴィッセル神戸と対戦するチームはご注意ください。かなりお強いです【Jラボ】

監督交代後に3連勝しているヴィッセル神戸。いわゆる、交代による単純なブースト効果というわけではなさそうです。なぜヴィッセル神戸は結果が出るようになったのか。そこには理詰めのシステムと戦い方が隠されています。オーソドックスな4-3-3ながら、そのプレスのやり方は同じ4-3-3の川崎フロンターレのハイプレスとも異なり機能的です。ただ、弱点も見え隠れするのですが…。

いずれにせよ、これから対戦するチームにとっては脅威となりそうです。好調時の強さを徹底解剖してみました。

順位を額面どおりに受け取ってはいけないヴィッセルの実力。上位チームにとっても相当な難敵 

ACL組の前倒しで水曜日に開催された3試合、ヴィッセル神戸が名古屋グランパスに勝って3連勝しています。三浦淳寛監督に代わって2連勝、2試合連続クリーンシート。相変わらず外からは不思議な監督交代でしたが、とりあえず結果は出ております。

これで神戸は10位ですが、額面どおりに受け取らないほうがいい順位だと思います。

36ゴールはFC東京と並ぶ3番目。川崎フロンターレ、横浜F・マリノスというゴールマシーンみたいなチームが上にいますが、神戸はJ1でトップクラスの得点力があるわけです。それでこの順位なのは守備に弱点があるわけですが、もう1つはメンバーによって力が違ってくるということではないかと。

名古屋戦はベストメンバーでした。ダンクレーの代わりにトーマス・フェルマーレンが入るかどうかはありますが、ほぼ現状のベストでしょう。このメンバーで戦えば、名古屋にも勝てるわけです。名古屋は唯一、あの川崎に勝っているチームですからね。ベストな状態の神戸は上位チームにとっても相当な難敵で、名古屋も「ババ」を引いてしまったようなものでしょう。

ただ、アンドレス・イニエスタなどベテラン多めの編成で、彼らが出ないときは若手がプレーしています。若手も将来性のある良い選手が揃っていますが、ベストメンバーとの差はあるとは思います。かつてのレアル・マドリーにおける「ジダニス・イ・パボネス」ではありませんが、そういう方針である以上、仕方がないのでしょう。過密日程でなければ、少し結果は違っていたのかもしれません。

同じ4-3-3でも川崎フロンターレとは異なるハイプレスのやり方。時折露呈する「弱点」と強力すぎる「飛び道具」 

三浦新監督になってからは北海道コンサドーレ札幌に4-0、名古屋に1-0と、まだ失点がありません。第18節のサガン鳥栖戦も勝っていますが4-3でした。この試合はマルコス・ビベスコーチが指揮を執っていますが、ここから3連勝のフォーメーションは4-3-3になっています。

トルステン・フィンク前監督のときは3-4-2-1でした。4-3-3も使っていましたが、9月から一貫して3バック。フォーメーションの違いが守備を安定させたというわけではないですが、三浦監督の4-3-3は守備の機能性が明確になった印象はあります。

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