西部謙司 フットボール・ラボ

サガン鳥栖が示唆する日本代表の未来。典型的な「和式サッカー」に突き付けられた解くべき難問とは?【Jラボ】

久々に日本代表の試合が行われますが、先日行われたサガン鳥栖の試合を観ていて、まさにその日本代表そのものだと思われる特徴がありました。長所も課題も共通するものが多いのです。鳥栖が占う日本代表、日本サッカーの未来とは?

順調な鳥栖のチーム作り。小気味のいいサッカーを展開するも…… 

水曜日に延期になっていた第10節、サガン鳥栖vsガンバ大阪がありました。2-1でG大阪が勝って5連勝と好調を維持しています。

ただ、内容的には鳥栖がボールも支配して、決定機も作り、スコアが逆でもおかしくない試合だったと思います。

鳥栖は自陣からパスをつないでビルドアップしています。ライン間にポジションをとり、幅も作り、パススピードの速いパスを足下へビシビシとつなぐ。多くて2タッチ、テンポも速い。停滞感がありません。攻守の切り替えも速く、この試合でも攻め込み後に高い位置で奪い返す場面が多かったですね。

つなぐ意識の高さが裏目に出て相手のハイプレスに引っかけられる、DFのパワー不足で1対1を押し切られる、そしてチャンスは作れるがフィニッシュが弱いという課題はありますが、非常に小気味のいいプレーをしています。

MFの松岡大起がCBで起用されていて、4バックは平均年齢が20歳ぐらいになることもあるぐらい若く、さらに180㎝を超えるのが原輝綺だけ。ボール技術と機動力がウリのディフェンスラインです。

ボランチの原川力が抜群の存在感。左サイドハーフの小屋松知哉のキープ力やキレのある動きとボールタッチも目を引きます。ただ、個よりもチームプレーの中で生きるタイプが多いですね。

日本式サッカーの行く末を占う鳥栖のサッカー 

鳥栖のチーム作りは順調といっていいと思います。あまり結果には結びついていませんが、今季は降格もなく、来季への基盤作りと考えれば、かなり良い進捗状況ではないでしょうか。

で、思ったのですが、現在の鳥栖のサッカーって、たぶん典型的な日本サッカーではないかと。

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