西部謙司 フットボール・ラボ

マリノスがそれでもハイプレスを止めない理由。秋の三ツ沢にそびえたった常識破りの“クリスマス・ツリー”【月刊「横浜F・マリノス」vol.2】

西部謙司のフットボールラボでは、これまでのレギュラーコンテンツにプラスして、毎月1つのクラブを重点的に取り上げて週1回程度のペース(月4回程度)で特集していきます。題して「マンスリー・クラブ・フォーカス(MCF)」。10月は横浜F・マリノスを大特集です。特集第2回目は大分トリニータ戦を総括。4-3-2-1のクリスマス・ツリーを採用した理由、4-0と快勝の要因とハイプレス強化の狙いなどを読み解いていきます。

本来は守備的なクリスマス・ツリーだが…

ルヴァンカップ準決勝の後、第21節は大分トリニータとの対戦でした。

前半は均衡していましたが、後半に入ると松原健がクリアボールを左足のボレーで叩いて先制します。続いて大分のビルドアップのミスをついてジュニオール・サントスが加点。さらにエリキがドリブルシュートで2点を追加、終わってみれば4-0の快勝でした。

大分のビルドアップに対しては、ひたすらハイプレスの横浜FMでしたが、前半は上手くかわされる場面がけっこうありました。大分のGKムン・キョンゴン、足下すごく上手いです。体の向きでプレッシャーを事前に外す技術があり、フィードも正確。昨季は高木駿が不動のGKで、彼のミサイルみたいなフィードは大分の名物だったわけですが、それを上回るぐらいのインパクトでした。

この試合の横浜FMのシステムは4-3-2-1だと思います。ただ、機能的には3-3-3-1とそれほど変わりなく、当日のメンバーとハイプレス時のかみ合わせを考えてこうしたのかなと。

生命線のプレッシングでどこまで「弱点」を隠し続けられるか?

4-3-2-1は「クリスマス・ツリー」とも呼ばれ、本来は守備の堅いシステムとして知られています。どちらかというと相手を引き込むことを想定しているのですが、横浜FMの場合はとにかく前からプレスしていきます。

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