西部謙司 フットボール・ラボ

ザーゴとは何だったのか? 鹿島が復活するためにいま向き合うべき現実

ザーゴ監督はなぜ結果を残せなかったのか? 単純に監督の能力だけではない鹿島が直面する問題も見えてくる。巻き返すために必要なことは何か?

意外な2人の監督解任 

J1も第10節を迎えます。消化試合数はバラつきがありますがまだ序盤。しかし、早くも2チームが監督を解任しました。横浜FCの下平隆宏監督と鹿島アントラーズのザーゴ監督です。

戦績からすると解任はやむをえない感じなのですが、下平監督はたびたび手腕の冴えを見せていましたし、ザーゴ監督はチーム戦術を改革しようとしていた途上だったので、どちらも意外ではありました。

昨季は降格なしという特殊な事情があり監督解任は少なめでしたが、今季は逆に4チームが降格するというこれまた特殊な状況ですから、早めに手を打ったということなのかもしれません。

今回は鹿島のほうに触れてみたいと思います。「ザーゴとは何だったのか」ですね。

指向するサッカーと現実の乖離 

ザーゴ監督の指向するプレースタイルは、いってみれば現代サッカーの流行に則ったものだったと思います。

ボールを持ったときは自陣からつないで運ぶ。敵陣内ではハイプレスで圧力をかける。ヨーロッパの強いチームはだいたいこれですし、Jリーグもそういう傾向にあります。

ボール保持とハイプレス。ザーゴ監督就任から、明確に打ち出されていました。ただ、それが上手くいっていたかというと微妙でしたね。練習を見たことがないので何ともいえませんが、少なくとも試合から読み取れるのは方法論の欠如でした。

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