西部謙司 フットボール・ラボ

中小クラブ=弱者のサッカーはもう古い。鹿島と名古屋を「質」で上回った鳥栖と徳島が示すニューノーマルな戦い方

鹿島の強度を上回った鳥栖、名古屋の個を封じ込めた徳島。戦力でも格でも上をいく強豪を圧倒した2クラブの戦い方からは、これからの時代の下剋上の方法を示唆していると言える。Jに起きている“異変”の正体を追う。

ポジショナル・プレーvs個&強度で優勢だったのは… 

16節も始まろうというタイミングでナニですが、第15節の2試合をまとめてみようと思います。サガン鳥栖vs鹿島アントラーズ(2-1)と徳島ヴォルティスvs名古屋グランパス(0-0)です。

もちろん別々の試合なのですが、共通点というか今季の傾向なのかなと思うところがありました。

鳥栖と徳島は、いわゆる「ポジショナル・プレー」(Jのポジショナル・プレーについては最近、J論プレミアムで記事を書きましたのでこちらもぜひ→リンク先)で上昇したチームといえるでしょう。鳥栖は成績上昨季まで下位だったのが今季は上位、徳島もJ2から昇格したばかりで降格圏より上にいます。

対する鹿島、名古屋はオリジナル10の老舗クラブであり、能力の高い選手で構成された強豪といっていいでしょう。とくにフィジカル能力に秀でた選手が何人もいるという点では似ている2チームです。

そして、鳥栖は鹿島に勝利し、徳島はドローながらも優勢に試合を進めていました。鹿島、名古屋のフィジカル面での強度を上回るパスワークをみせていたのが共通点です。

鹿島のハイプレスを無力化した鳥栖のクオリティ 

鳥栖vs鹿島は、守備面での強度を増した鹿島に鳥栖のプレーがどうかと思っていましたが、鹿島のハイプレスを落ち着いたパスワークでいなしていました。

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