EUROで証明された「ミシャ札幌」の先進性。魅力と表裏一体のミシャ式最大の弱点とは?
白熱の戦いが繰り広げられるEUROで、ミシャ式の先進性が改めて証明されている。可変システムとマンマークの守備は一部でガラパゴスと揶揄されることもあったが機能性は実証されているともいえる。そして弱点もまた明白なのだが、はたして……。
やっぱり先見の明があったミシャ
EUROのベスト8が出揃っております。イタリア、ベルギー、スペイン、イングランドまでは順当かなという感じですが、スイス、デンマーク、チェコ、ウクライナはやや予想外。ベスト8の半分がちょっと意外というところがEUROらしい。
そのやや意外な4チームの中でスイス、デンマーク、ウクライナは3バックを採用していました。これまでヨーロッパでは少数派だった3バックが増えているのは今大会の傾向ですね。残り1カ国のチェコは4バックですがマンツーマンの守備でした。何が言いたいかというと、ミシャ監督は先見の明があったなと(笑)。
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督がサンフレッチェ広島で「ミシャ式」を始めたのは2008年ぐらいですから13年も経つわけです。現在の北海道コンサドーレ札幌も可変式システムとマンマークの守備が看板です。
マンツーマンといえば、ギリシャがそれで2004年のEUROで優勝しています。このときのギリシャは相手の特徴に合わせてマーク役を決めていましたが、今回のR16でオランダと対戦したチェコは自分たちのポジションでマークを決めているようでした。マルセロ・ビエルサ監督の方式です。相手との相性というよりも、とにかく早くつかまえてしまうことが目的なのでしょう。
札幌のマンマークも誰を抑えるというより、早くプレッシャーをかける、なるべく引き込まない、混乱しにくい。そういうところがメリットかと思います。自陣から丁寧にビルドアップしてくる相手に対して、マンマークは一定の効果があります。場合によっては破壊力さえ伴う。とにかく攻撃したい、受け身になりたくないというミシャ監督の考え方が根本にあるのでしょう。
同じマンマーク守備でもなぜチェコはオランダに勝ち、札幌は鹿島に完敗したのか? 明確なミシャ式の「弱点」
第20節の鹿島アントラーズ戦は0-4の完敗でしたが、札幌らしさは随所に表れていました。スコアから想像するような一方的な試合ではなく内容的には互角です。
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