「守備的」でなくても堅守は築ける!Jリーグ最少失点、サガン鳥栖秘伝のボールを奪うための「設計図」とは?
西部謙司によるJリーグ中間報告。第三回目は「精度」と「強度」について。川崎フロンターレとサガン鳥栖を題材に解説します。
群を抜く川崎フロンターレの「止める蹴る」
サッカーで優劣を決めるのは主に「精度」と「強度」です。
今年も首位を走る川崎フロンターレはこの両面で優れています。とくに「精度」ですね。たまたま練習風景の動画を見たのですが、パイロンで区切った1メートル四方の中で、次々とパスを受けては捌くメニューがありまして、スピードのあるパスをピタリと止めて即座に蹴るブレのない精度は圧巻でした。ちょっとでも弾いたら、1メートル四方からボールが出てしまうのですが、それがほとんどないんですね。
風間八宏前監督のときからこういうトレーニングはよくやっていましたが、精度は上がっているのではないでしょうか。完璧に止めれば蹴るのも速くなります。それだけ川崎は相手より「時間」を持っていることになります。時間、タイミングの操作はサッカーで決定的に重要です。この精度はまだ他クラブが追いつけていないところではないかと思います。
奪うための設計図が描けているサガン鳥栖の「プレス」
「強度」のほうも全体的に向上しています。精度の高い相手にどれだけプレーを制限できるか、自由と時間を削り取るか。その強度をどう出していくかで各チームの努力と工夫がうかがえます。今回は一例としてサガン鳥栖を取り上げてみましょう。
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