西部謙司 フットボール・ラボ

「考えてプレーする」は時代遅れ。川崎Fと横浜FMの国内二強のサッカーが“似たもの同士”になっている必然

二強対決の様相を呈するJ1。一見違うスタイルを志向しているように見えて実は似たもの同士という両者の違いと現状の力関係を分析。そのうえで世界の潮流を見ても「考えてプレーしている」ようでは遅いと筆者は指摘します。

現時点では横浜FMが川崎Fより上 

27節を終えて首位は依然として川崎フロンターレ。2位横浜F・マリノスとの差は4ポイントに開きました。とはいえ、この節の両チームの勝敗が逆だったら横浜FMが首位になっていたわけで、今後も目の離せないマッチレースになりそうです。

北海道コンサドーレ札幌に勝利(2-0)した川崎ですが、試合内容で圧倒できていたわけではなく、まだ無敗街道を走っていたときの強さは戻っていません。一方、鹿島アントラーズに0-2で敗れた横浜FMは攻勢でチャンスも作っていて、悲観するような内容ではありませんでした。

この2チームの力は拮抗していて、現時点では横浜FMのほうがむしろ良いのではないかと思います。戦術的にもJ1のトップ二強といっていいのではないでしょうか。

戦術の大きな変化は2008年のユーロで優勝したスペイン代表と、このシーズンから黄金時代を迎えたバルセロナが起こしました。ポジションとポゼッションのスタイルですね。それから10年ちょっと経過して、このスペイン式サッカーは世界的に浸透した感があります。Jリーグにも、もちろんその影響は及んでいます。

(残り 2012文字/全文: 2599文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ