西部謙司 フットボール・ラボ

78分の超常現象。川崎フロンターレとヴィッセル神戸が同時に「第二形態」へ完全移行して少しエキサイトした秋の夜長

水曜に行われたヴィッセル神戸と川崎フロンターレの試合。白熱した内容だったが、78分の選手交代がもたらした大きな変化はなかなか見られない面白い現象だった。

1試合で4つのチームを見られるお得感?

水曜日に第28節の川崎フロンターレvsヴィッセル神戸がありました。ともにパスワークのいいチーム同士、技術レベルの高いゲームになりました。

結果は神戸が先制したものの、川崎がレアンドロ・ダミアン(PK)、オウンゴール、家長昭博のゴールで後半に逆転の3-1でした。これで川崎は1試合多いとはいえ2位横浜F・マリノスとの差を12ポイントに広げています。かなり重要な勝利でしたね。

78分に川崎、神戸ともそれぞれ2人同時の選手交代を行っています。川崎はその2分前にも2人入れ替えていて、神戸も1人ずつ2回の選手交代をすでに行っていました。結果、78分からのメンバーおよびシステムがガラッと変わった印象です。

もう別のチームみたいでした。1試合の中でそれぞれが2つのチームを稼働させている感じ。5人交代可能というコロナ禍で採用されたルールでなければ、たぶんこんなことは起こらなかったと思います。これが良いのか悪いのかはわかりませんが、ファンにしてみると1試合で4チームぶん見た気がして、ちょっとお得感あるかもしれません。

ユーティリティー性が生み出す川崎の変化と不変。「田中碧」への道を着実に歩んでいるルーキー

川崎から見てみましょう。

先発はこれがベストなのでしょうね。プレー内容も一時のパワーダウンから回復していて、速い攻守の切り替えが復活していました。得意のポケット侵入も何度も見られています。

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