西部謙司 フットボール・ラボ

【拝啓、森保監督】オーストラリア戦は世界のトレンドを先取りした「Jクラブご用達」のあのシステムで戦いませんか?【勝つための緊急提言】

まさに日本代表沈没の危機です。シャレになりません。会員の皆様は「ジャパンズ・ウェイ」などと言って問題の本質に目を向けてこなかったツケを払わされていると感じているかもしれませんが、崖っぷちなので四の五の言っていられません。希望はまだあります。Jリーグが磨いてきたあのシステムで戦えばオーストラリアに負けることなく、うまくいけば勝てる確率はそれなりにありそうなのですが。

5-2-3時代到来か? 1周回って新しかったJリーグ

ネーションズリーグの準決勝、フランスvsベルギー、スペインvsイタリアは現在ヨーロッパ最強の4チームの激突でした。

フランスが3-2で逆転勝ちしたベルギーとの一戦は、戦術的に示唆的でした。どちらもシステムが5-2-3。強豪同士の今のスタンダードがこれなんでしょう。

ユーロでも5-2-3は見られましたが、どちらかというと劣勢が予想される側が守備固めで使っていました。ただ、この形になる理由は強豪国でも同じなんですね。つまり、ハイプレスしてもほぼ奪えないということです。奪えないので引くしかない。で、引くなら5レーンを5人で埋めないと危ない。

強豪は当然GKがビルドアップに加わってくるので自陣では必ず数的優位ですから、追い回しても結局はどこかでフリーマンを作られてしまいます。追い込んだと思ったらロングパスでひっくり返されることも多く、そのときに前に残っているFWが強力なのでカウンターが恐い。そういうわけで、ハイプレスは基本的に得策ではありません。

ひとまずディフェンスラインを5人で埋めて、そこから各レーンで前に出て圧力をかける守り方になっています。中盤が2人しかいないのでスカスカな感じはありますが、サイドはウイングバックが前に出てきますし、2人でカバーできないところはトップの3人がヘルプしてくれるので、中盤で奪うところまでいかなくても無防備ではありません。

5-2-3システムの利点の1つは、「わかりやすさ」だと思います。

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