鹿島と札幌の守備に注目せよ! 方法論は真逆でも…良かった開幕戦での「スリの捕まえ方」【戦術ラボ】
ともに守備が機能した鹿島と札幌。アプローチの仕方は違えど、どちらも良い守備を見せました。はたしてそのメカニズムとポイントとは? 今季はこの2チームの守り方に注目です。
鹿島と札幌はいかにしてスリを捕まえるか?
だいぶ前の話ですが、当時JFAにいた布啓一郎監督に話を聞いたとき、
「財布をスラれたら、全力で取り返しに行きますよね。守備も同じです」
と、言っていました。ボールを奪い返すためのアクションについての喩えなのですが、じつは個人的になぜか違和感を覚えたものです。何だろうと考えたら、もうまったく個人的なことなのですが、4歳ぐらいのときに実物のスリを見たんですよ。
浅草寺に初詣に行ったとき、ごった返す人波をかき分けて黒いセーターのお兄さんが流れと逆方向に走り抜けていった。幼子心にも異様な気配を感じたのでしょう。父親に「なに?」と聞くと「スリだね」と。
その記憶があるので、「スリは追いかけても捕まらない」と刷り込まれていたわけです。一方で、あれだけ人がびっしりいたのだから、誰かが「スリだ!」と叫べば皆で捕まえるのは簡単だったんじゃないかとも。
何の話かと申しますと、守備の話でございます。開幕戦、鹿島アントラーズの守備が良かった。そして鹿島とは違う方法論ながら、北海道コンサドーレ札幌も良かった。いわばスリの捕まえ方が違っていて、それぞれに効果的でした。
教科書とカオス! 殺気を感じさせた鹿島の能動的な守備と60分最強の札幌のマンツー包囲網
鹿島はガンバ大阪に3-1の快勝。G大阪は前半にパトリックをレッドカードで失ったのが痛かったですが、その時点ですでに2-1でした。上田綺世の凄まじい成長ぶり、鈴木優磨の貫録が印象的でしたが、守備も良かったです。
暫定監督になっている岩政大樹コーチらしい仕上がりでした。
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