週刊「鳥栖ラボ」始めました。いまJで最も夢のあるサガン鳥栖のサッカーを定点観測
突然ですが、今週から週刊で「鳥栖ラボ」を配信していきます。いまJ1リーグで最も質の高いパフォーマンスを見せているサガン鳥栖のサッカーに注目していきます。鳥栖のサッカーはどう進化しているのか、試合内容を踏まえた分析や選手の解説など様々な角度から定点的に毎週、深堀してまいります。
もちろんフットボールラボとしてのこれまでのコンテンツも従来どおり配信していきますので引き続きご期待ください。
鳥栖が直面するポジショナルプレーの宿命
9試合を終えてサガン鳥栖は9位。2勝6分1敗、得点9、失点5。失点はFC東京と並んで最少ですが、得点がやや少ない。引き分けが多いのも特徴で、北海道コンサドーレ札幌の7試合に次いでいます。そして、このスタッツは鳥栖の現状をよく表している気がします。
ボール支配率は高く、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノス、札幌に次ぐ4番目。鳥栖の次が川崎フロンターレで、トップ5はいずれもポジショナルプレー勢です。敵陣でプレーする時間も長い。簡単にいえば、鳥栖は優勢に試合を進めることができています。
2008年にジョゼップ・グアルディオラ監督のバルセロナが猛威を振るい始めてから、ヨーロッパではバルサ化を試みるチームがいくつもありました。いわばポジショナルプレーの導入期だったわけですが、傾向としてだいたい失点が少なくなります。バルセロナも失点が少なかったですし、ヨハン・クライフ監督が現在につながるプレースタイルを導入した当初も、隙だらけにみえたにもかかわらず失点は少なかった。ボール支配率が上がって敵陣滞留時間が長くなったからです。
ただ、実はここからが課題になります。バルサ化を目指したチームも、自分たちにリオネル・メッシはいないという事実にやがて直面することになりました。ボール支配率が上がるだけでは得点は伸びないんですね。失点は減るので負けにくくはなるのですが、勝ち切るだけの得点力が上がらない。鳥栖が直面している壁もこれだと思います。
鳥栖のサッカーには夢がある
第9節の清水エスパルス戦は0-0のドローでした。ボール支配率は56.5%と上回り、シュート数13も上回りましたが(清水7本)、枠内シュートは清水3、鳥栖2でした。ざっくり6対4ぐらいで鳥栖の押し気味ではありましたが、どちらも決定機の少ない膠着した内容といっていいでしょう。
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