西部謙司 フットボール・ラボ

【鳥栖ラボ】“怪現象”だらけだったFC東京戦で見えた鳥栖が勝ち続けるための「解決策」

FC東京に勝利して4勝7分1敗の5位に浮上したサガン鳥栖。開幕前は降格候補に挙げられることも多かった鳥栖がこれからも勝ち続けるために何が必要なのか。そのヒントが怪現象連発のFC東京戦で見えてきた。

ブリリアントな堀米勇輝のFKで1-0

FC東京との第12節は81分の堀米勇輝のFK弾で1-0。この試合の堀米はキックオフからブリリアントでした。29歳とベテランの域ですが、ここにきて一段とスケールアップしたように思います。左足の繊細なテクニック、高精度のクロスボールだけでなく、プレッシングも精力的でチームにフィットしています。

決定機はFC東京のほうが多いのに、主導権は完全に鳥栖というちょっと不思議な展開でした。そのあたりを中心に振り返ってみましょう。

FC東京相手に主導権を完全掌握も……決定機は上回られる“怪現象”から見えた鳥栖が勝ち続けるために必要なこと 

鳥栖の先発メンバーが変化していました。おそらくこの試合の相手を考えての構成でしょう。いつもはウイングバックの岩崎悠人がシャドーという配置もそうだと思います。

今季からアルベル監督を迎えたFC東京はポジショナルプレーを導入していて、自陣最深部からビルドアップしていこうとするので、それをハイプレスで抑え込んでいこうという鳥栖の意図が人選と配置に表れていました。ハイプレスのイメージはこんな感じ。(図1)

岩崎、小野裕二、堀米の3人で相手の2CBとアンカーの3人をマーク。

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