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白井裕人を支える川本良二ゴールキーパーコーチ。絶賛したのはPKストップではなくこんなプレー

白井裕人。先日も専門誌の「J2・クラブ別歴代最高プレーヤー」に選ばれていたが、その他メディアの年間MVP等にもたびたび選ばれる金沢の絶対的守護神だ。そんな白井を日々の練習から支えているのが川本良二ゴールキーパーコーチ。過去の取材中に川本のこだわり、ポリシーが垣間見えるシーンがあったので紹介しよう。

川本良二が金沢にやってきたのは2012年。本人は「実質引退していたようなものだよ」と振り返るが、選手・コーチ兼任という立場だった。その後、長く金沢のゴールキーパーコーチを務める川本が指導するうえで選手に求めるポイントは「守備範囲の広さ」だ。とくにハイボールについては「上のボールは(GKが手を伸ばせば)誰も触れない」と、こだわりをのぞかせる。

 

また「積極的なチャレンジ」を求めることもポリシーの一つ。「なかなかチャレンジできない選手もいる。プレーが終わったあとに『いまのはいけた』と言う選手もいるが、チャレンジしてから、ミスしてからそういうことを言おう」と、練習から積極的なチャレンジを求めている。

 

クロスボール、ディフェンスライン裏へのロングボール、スルーパスやルーズボールなど、ゴールキーパーがチャレンジする場面は多々あるが、求められる判断はシビアであり、一瞬の迷いが失点につながる。逆に消極的な選択をしてもミスに見えないこともあるため、安パイの選択肢を選んだほうが楽だ。ただ、それを続けていてはチームを助けられないし、自身のレベルアップも望めない。

 

「ここ、ここ、この動きなんだよ」

 

そんな川本に以前取材して印象的だったことがある。昨年のJ2第29節、アウェイでの新潟戦、3−2で逆転勝利を飾った試合でのことだった。

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