盤面をひっくり返さなくとも、そこに下川陽太がいる
印象に残ったプレーと言葉
昨年の１年間で、金沢の選手を除いて最も印象に残ったプレイヤーは誰かと問われれば「下川陽太」の名を挙げざるを得ない。西部での愛媛戦で、強気に何度も仕掛ける姿勢は鮮烈だった。そして強気のプレーと一致するような真っ直ぐなコメント。「同じサイドの選手には負けたくないと思っていた。自分がドリブルを仕掛けていくうちに相手が下を向いた。気持ちを折ろうというくらいの強気で仕掛けた」。この言葉も相まって下川の印象は強く残った。
当時、対面していたのは長谷川巧。コンスタントに出場機会を得つつあった頃に経験した小さな挫折だった。「相手の選手（下川）のコメントでも『サイドバックの選手が下を向いていた』と言っていたが、そういうところで狙われていたのかなと思う。でも切り替えて修正してつなげていかなければいけない」。その試合の数日後にこう振り返っていた長谷川は、この苦い経験を糧にして成長していった。
迎えた今シーズン。新体制発表会の時点では24人で始動することとなっていたが、まだ動きがありそうだという感触はあった。ただ、どこのポジションに、誰が加わるかということまでは不明。そして始動日の午後に発表されたのが下川陽太という名前だった。
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