FOOTBALL TODAY KANAZAWA

「グラウンドが硬すぎる」。柳下監督の口から日々漏れ出す悩み【無料記事】

 

「練習場のグラウンドが硬すぎる」。

 

いつ頃からだっただろうか。連日のように柳下正明監督から聞くようになった言葉だ。直接の取材でそういう話題に及ぶこともあれば、スタッフや関係者と話しているのを聞くこともある。また「なぜ練習の途中で散水するように指示をしたのか?」という問いに「グラウンドを軟らかくするため」という答えが返ってきたこともあった。

 

「硬いんじゃなくて、硬すぎるんだよ」。

 

今後も5連戦が続いていく超過密日程のJ2。けがのリスクは自然と増えるし、ただでさえ少人数で戦っている金沢のこと。少しでもリスクを低くしたいという指揮官の気持ちが抑えきれない思いとなって吹き出してくる。現在の負傷者は試合中の接触によるものがほとんどだが、シーズンの疲労はこれから積み重なっていくばかり。日常の練習で使うグラウンドで負傷のリスクが高まるとすれば、気が気ではないだろう。

 

「まだ若くて体が軽い人はそんなに(負担が)こないけど、ちょっとけがをもっていたり体重が重い人は足首、膝にすぐにくる。グラウンドが硬いのはいちばんけがのリスクになる」。膝の負傷が元で現役を引退するきっかけとなった柳下監督は、グラウンドの硬さを自身でも痛感しているようだった。

 

これまで4クラブで指揮を執ってきた柳下監督だが、金沢の前に監督を務めていた新潟のアルビレッジがもっともいいグラウンドだったと振り返る。「あそこがいちばん軟らかかった。朝5時か6時ぐらいから水をまいているからすごくいい感じ」。その前の磐田のときは最初は硬かったが「コアリングをして、古い土を取り除いて、いい土を入れた。その年は3回ぐらいやってくれた」。

 

現在もクラブから相応の対策をとってもらえるように要望はしているが、なかなか監督が思うように事は進んでいないようだ。もちろん金沢市の施設であるため、すべてが思い通りになるとは限らない。コストやその他の問題があるのならば、話し合いを通じてうまく妥協案や折衷案を見つけ出せればよいのだが……。現状では超過密日程という全チーム共通で難しい問題があり、そこに金沢は少数精鋭とコンディション調整の難しさという条件を背負って戦うことになる。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ