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古巣相手に初勝利を収めた白井裕人。「嬉しさはあったけど……」【コメント】

おそらく金沢のなかで対松本にもっとも思い入れがあるのは白井裕人だろう。古巣ということだけでなく、0−4や0−5といったゴールキーパーとして耐え難い屈辱を何度も味わわされた相手だったからだ。過去、大敗したあとにはロッカールームで呆然と座り込んでいる姿もあったという。そんな松本相手に初勝利を収めてから2日たった本日、あらためて白井に話を聞いた。

ーー試合の入りは相手のペースだった。守備の準備ということを白井選手が強く言っていたと聞いたが?
「基本的に後ろの選手には『縦にボールが入ったときには守備のことを考えてくれ』と常々言っている。(相手が)縦に入れるということは奪える可能性が上がるということ。だけど、たとえば縦に入れたボールがずれて相手がワンタッチで(周囲の選手に)入れてきたら、準備していないとカウンターを受ける。縦に入れた瞬間に相手(受けて)との距離を詰められていれば、そこでたとえワンタッチで入れられたとしても攻撃の芽を潰せる。(プレスに)いける距離で準備をしておくことが大事になる。攻めているときはどうしても見ているだけの選手が多いと思う。(松本戦では)試合中ずっと『見るな、見るな』と言っていたと思うが、見ないで準備しろということ。ほぼそれしか言ってないですね」

 

ーー阪野が投入されて、すぐにシュートを足で止めた場面があったが?
「角度はなかったけど、ニアは開けてはダメだし、ファーにきてもいけるように準備はしていた」

 

ーー阪野が切り返して左に持ち替えたことで対応は難しくなった?
「コースが広がるので難しくなる。試合の振り返りの映像とかを見て、『あれは(切り替えさせずに)そのまま打たせよう』という指示があった。切り返されるとファーにもニアにも打てるようになる。あそこはチームの守備としての改善点」

 

ーーそれ意外はピンチも少なかった?
「セルジーニョが前向きで右足でもてば常に準備はしていたけど、脅威を感じることはそんなになかった。チームとして連動した攻撃をされたかというと、そうではない。個々の部分でやられなければ、とは思っていた」

 

ーーこれで3試合連続無失点だが?
「しっかり人につくとか、ゴール前でやらせないというのは当初の頃より相当根づいている。そういうのが結果になって現れるというのは、やっているほうでも自信になる。いいことだと思う」

 

ーー松本戦後の会見では意外と冷静だったようだが?
「もっと泣けるぐらい嬉しいのかなと思ったけど、泣くほどは嬉しくなかった(笑)。いままでの強い山雅だったら、泣くぐらい嬉しかったかもしれない。嬉しさはあったけど、泣くほどではなかった」

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