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「いままでのシーズンでもいいほうだと思う」。練習試合・熊本戦を終えて柳下正明監督のコメント

ーー練習試合・熊本戦の感想を聞かせてください。
「熊本がJ2でもそういうことをやってくるチームがある、という攻撃をしてくれた。それを初めは全然わからずにやってたけど、それでもなんとかトレーニングでやっているようなスライドしながら、声を出しながらできた。2本目はある程度『こうだから、トレーニングでやっていたこういうことをやろう』ということで、狙いをもってプレーができた」

 

ーー熊本は後ろでボールを大事にするような、ポジションを変えながらビルドアップしていたが、そこにうまく対応できたということ?
「ボールをしっかり保持しながらというチームだけど、われわれはそういう相手に対してもボールを奪いにいく守備。2本目などは、そういう相手にも狙いをもっていけている。リーグ戦では、ある程度相手を分析できるので、相手のやり方を事前に伝えることができる。今日はそれがないなかでもやれるんだなというのがわかった。こうやってボールを奪いにいこうという狙いで、何度か奪うことができた。それはOK。あとはスピードとか強さを上げていくことが必要」

 

ーー1点目もボールを奪ってからの形だったが?
「ちょうど交代する選手に説明していたから見ていなかった(笑)。でも(松田)陸がインターセプトしてそのままもっていったと聞いたから、それは狙い通り」

 

ーー手応えを感じる内容だった?
「そうだね。できる選手、これができない選手というのもわかったゲームだった。チームとして『これはできるね』『これはトレーニングしなきゃいけないね』というのもあるし、個人でも『できるようになっている』『まだまだできない』というのが見えた」

 

ーーここまでも練習試合を何試合か行っていたが、そのなかでも進歩を感じるゲームだった?
「いまは3週トレーニングしたところだけど、ゲームのなかで動きを変えながらやれるようになった」

 

ーー成長を感じる選手はいた?
「新しく入ってきた選手がどんどん吸収していってくれている。全体的によくなっている。フィールドプレイヤーでは10人の新しい選手が入ってきたが、そういう選手がうちのやり方を攻守において理解して、ずいぶん出せるようになった。初めのころはトレーニングではできるけど練習ゲームではまだまだできてなかった。でも徐々にやれるようになってきた。いままでのシーズンでもいいほうだと思う。新しい選手がここまで狙いをもってやれるということがなかったから。チームとしては成長している」

 

ーー逆に今日見えた課題は?
「チームとしての狙いはこうだよというのがあるなかで、やっぱり個になる。ひとり、ふたりがちがうことをやっていると、ボールを奪えそうなのに奪えないというのが出てくるから。全体としてチームのやり方は理解してくれているから、あとは個を上げていくしかない。昨日もみんなに伝えたけど、『できるか、できないか』。できる人が試合に出る。できない人はできるようにやろうとしてくれないと、いつまでたっても変わらない」

 

ーー力安選手はかなり奪えるし、危ないところもカバーできるように見えたが?
「オン(ザ・ボール)のところは強いけど、危ないところを見るのはまだまだ。いまは『チームとしてのボランチの役割はここだよ』と伝えている。それと、マイボールになったときに『こういうプレーをしよう』というのもまだまだ課題として残っている。逆にそこをクリアできればもっとよくなる」

 

ーー監督のなかでは想定以上に仕上がっている?
「でも、決めるところを決めていないし、『そんなところをフリーにしちゃうの? 走られちゃうの?』のとかはある。そこは個。原則をまだまだ理解できていない選手がいる。チーム戦術というのは個の原則ができる、できないでずいぶん変わる。まだまだ原則を身につけていない選手がいるので、そこをトレーニングで身につけさせる。プラス、チーム戦術を理解してもらう。まだまだ時間がかかる選手もいるし、コンディションが上がればもっとよくなるなという選手もいる。だから、ちょっと(個々で)差は出ていると思う」

 

ーー昨日の練習では「あきらめるな」「やるべきことをやれ」と大きな声を出していたが、あらためて監督の思いを聞かせてください?
「そういったことは絶対に言い続けないといけない。たとえばボールを失った選手が守備をせずに休んでいたら怒鳴りつけないとダメ。小学生であろうとトッププロであろうと、それはやらなければいけないこと。そういうのを平気で許しているようだと、チームは隙だらけになる。『ダメなものはダメだよ』と言い続けるよ」

 

ーー周りからも『ダメなものはダメ』と言ってほしいということも言っていたが?
「そうやってお互いに厳しくやらないといけない。選手が『ダメ』と言うからには、その選手もやってはいけないからね。下手とか上手いとかではなく、ちゃんとやらなければいけないことをやらなかったら、みんなが言えばいい」

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