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いつも通りでいいんじゃない?【第22節・町田戦プレビュー】

 

そっちがヒップアタックなら、こっちは裏投げだ

 

野津田に越中詩郎がきてイベントが行われるようだ。金沢も馳浩が取締役だから、うっすらプロレス色のある対戦になった。まあ、見どころはヒップアタックを受け止めて裏投げを打てるかだろうな。

去年の野津田では相手の技を受けきった金沢が最後にフィニッシュホールド一発で勝った。今年のホームゲームは逆の展開。前半は金沢がいい形で進めたが後半は防戦一方。町田がよさを出すなかで、最後に逆転された。

 

前回対戦では嶋田慎太郎がハーフタイムで下がったこともあり、後半はまったく攻撃で時間をつくれなくなった。ただ、柳下監督は「後半が町田の本来の姿だと思う。そこを頭に入れてプレーしないと非常に厳しいゲームになる。(前回対戦は)前半はゆっくりだったけど後半は上げてきているから、そういう速いテンポにすぐ対応できないといけない」と、嶋田うんぬんではなく、選手の準備の問題を挙げていた。

 

基本的にどちらも相手のよさを出させないというより、自分たちのプレーを出したいチーム。両者が本来のプレーを見せれば、局面でも激しく、展開が早くて、スイングする試合になるだろう。

 

町田の並びだけが少し気になる。最近は4と5バックを併用し、前節は最初は4、途中から5にしたが、その前は5から4にしている。どっちでくるにしても、どこかのタイミングで変化するにしても、早めに把握して対応する必要がある。

 

あとは守備の部分ではいつもと同じ。ワンツーについていけるか。サイドハーフや長谷川アーリアジャスールを捕まえられるか。球際で負けずセカンドを拾えるか。前回対戦の決勝点はプレスにいくときの前と後ろの意思が合っていないなかで平戸太貴に入ってしまい、最後は鄭大世もフリーにしてしまった。相手のポイントとなる選手をみすみす開けてしまってはピンチになるのも必然だ。

 

いまは自分たちの攻撃にフォーカス

 

連戦が明けてからの2週間、柳下監督は対相手というより自分たちにフォーカスした練習を続けている。今週も公開練習では町田対策ではなく、自分たちがどう攻撃をするか、どう点をとるかという練習を行っている。そして先週に引き続き、しっかり時間をとってフルコートでの11vs11も行った。

 

「守備に関しては相手によって多少狙いが変わるけど、やるべきことは一緒。マークが決まったらしっかりつくとか、正しいポジションからしっかりいくとかは変わらないこと。基本的には攻撃のところ(を練習している)。いまは距離感を変えて、できたスペースをいつ誰が使うかというところ。そっちのほうをメインにしている」

 

前節の後半も、押し込んだときの攻撃、どこで誰が、どのようにスイッチを入れるかに課題が残った。「ボールをもてる時間もあったけど、相手の(ブロックの)前のほうで回しているシーンも多くなってしまった。より怖いところに入っていくことが少なかった。どうやったら相手を広げてスペースをつくって進入していけるかというところは、まだまだ突き詰めていかなければいけない」と嶋田も話している。今週はいい形でサイドバックやボランチに入ったときに、うしろに戻さずに前で連動していけるか、ポケットをとったあとにどこを狙うかなどの練習も行っていた。

 

それでもホーム開幕戦で町田と対戦した頃から見れば、金沢の得点力は上がっている。今シーズンの最初は開幕4試合でたった1ゴールだった。それが現在は27ゴールでリーグ8番目にまで上げてきた。どういう部分で変化が起こっているのか。柳下監督は言う。

 

「距離感がよくなって、一人ひとりのプレーではなく、ふたり、3人の絡みができるようになった。前回の町田戦も(嶋田)慎太郎から出したパスが相手にあたってのゴールだったけど、1個目に反応している選手がいるから、ああいうことが起こる。それはずっと言っていること。そういうことができるようになった」

 

決定機をもっと多くつくるためには課題は残されている。指揮官は2トップの最初のセットにもっとアクションをしてほしいということを言い続けているし、今週の練習ではクロスの際に各々がスペースを見つけて入っていくという点でも修正すべきところは多かった。またビルドアップの際、サイドバックに対しては、どっちの足にパスを出すのかにこだわって、怖がらずに前につけるように何度も指示が出されていた。

 

そういったことが町田戦で一気に解決することはないだろうが、少しの変化を楽しみたい。後半戦は若い選手がもっともっと出てきてほしいなあ。

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