「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】鹿島伝統の[4-4-2]を封印するほどの、強烈な個性が出現した / Jリーグ第22節 横浜F.マリノス戦(2013.8.27)

――久々に鹿島らしい強さを見せた試合でしたが、まずは振り返ってみてどうでしたか?
田中「強い相手に先制点を奪われる苦しい展開のなか、大迫選手の2ゴールでのすばらしい逆転勝利でした。横浜FMも決して調子は悪くなかったはずです。前半の試合運びはほぼ完璧。こちらがチャンスを掴みながらも先制点を奪えずにいたところで、ショートカウンターから1つのチャンスを得点につなげてしまう。さすがに首位にいるだけのことはある、と感心してしまうほどの盤石の試合運びでした。

先に得点を奪われてからは、それまで作れていたチャンスも少なくなり苦しんでいましたよね。横浜FMは、中村俊輔選手が指令塔として、パスの散らし役も担っていましたが、得点を奪ってからは少し下がった位置でのらりくらりとパスをまわしていました。こうなってしまうと鹿島の中盤は少しツライ。ボールを奪う技術に長けているのは小笠原選手のみ。最近、遠藤選手も体の入れ方がうまくなり、ボールを奪う場面はかなり増えてきましたがそれでもまだまだ。中村選手と柴崎選手はあまり得意とは言えません。そのため、下手に奪いに行けばスペースを与えることに繋がり、かといって奪いに行かなければ得点するチャンスはつくれない。特に、相手の帰陣は早く、最終ラインの4枚+中盤を5枚で守る守備組織は堅固でした。それを崩して得点するのは難しいことを考えると、ショートカウンターで相手ゴールに迫るのが一番の手段でしたよね。

(残り 2718文字/全文: 3328文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ