「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【セレーゾの帰還】VOL.23 決して選手を見放さない練習魔の名将(2013.10.28)

 敵将のコメントは相変わらず難解だった。「中盤の形が変わってしまったんですね」と、解説者のように試合を客観視していたが、中盤の形が変わってしまった理由や、選手が変えざるを得なかった状況にはほとんど言及しない。まるで形さえ元に戻れば、やりたいサッカーができていたと言わんばかりだった。

 それに比べると我が愛すべき指揮官の言葉のなんとわかりやすいことだろう。毎試合、長くて長くて辟易してしまうのだが、出てくる言葉は選手に対する愛に溢れている。トニーニョ・セレーゾは本当にすばらしい監督だ。セレーゾは、真の意味で”選手”を理解している。長い会見の中で、選手がどうやって成長していくのか、詳細にわたって言葉を尽くしてくれた。そこには彼の監督としての哲学が詰まっていた。

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