「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】岩政から山村へ。2トップから1トップへ。2つの大きな変化を経験しながら得た、5位という結果 / 2013シーズンを振り返って〜VOL.1〜(2013.12.17)

 トニーニョ・セレーゾの第2次政権初年度が終わった。最終節の結果次第ではACLに出場することも可能だったことを考えると、5位という最終成績の評価は簡単ではない。試合内容に、大迫勇也の退場という悔しい要素もあったからなおさらだ。しかし、冷静に振り返ってみると、5位という結果は正当な評価を与えられたように思える。

■ J1唯一の監督交代があったというハンデ

 まず、J1全体におけるトニーニョ・セレーゾの立場を明らかにしておく必要がある。彼は今季から鹿島を率いたわけだが、彼以外のJ1の監督はすべて昨季からの続投だったということだ。チーム作りの面で不利な立場であったことは否めない。たしかに過去には、就任1年目でタイトルをもたらしたオズワルド・オリヴェイラの例もある。広島の森保一監督も初年度で優勝している。しかし、彼らが率いたチームは前年までに鍛え上げられ、熟成されたチームだった。それを考えるといまの鹿島は新たにチームを作り替え始めたところ。特に、いまは広島に代表されるように明確なスタイル(もしくは戦術やシステム)を打ち出すチームが非常に増えている。そうした相手に対する対策を打てなければ、なかなか勝っていくことは難しいリーグ戦の状況を考えると、いきなり結果を求めるのは難しかったと言えるだろう。

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