「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】チームは本当に変わろうとしているか/Jリーグ第15節 FC東京戦(2014.7.19)

味の素スタジアムはサッカー専用スタジアムではない。ピッチとスタンドとの間には無駄な人工芝が敷かれており、スタンドの勾配も緩やかに傾斜するだけで決して見やすいスタジアムとは言えない。しかし、せり出した2階席の影響か、サポーターの声が大きく反響する構造を持っている。試合前のアップを行うため鹿島の選手たち20人が揃ってゴール裏に挨拶したとき(今回の遠征には、ベンチ外の前野貴徳、青木剛も参加していた)、サポーターから地鳴りのようにわき上がった声援は感情の昂ぶりを抑えられないほど見事なものだった。植田直通は短く「サポーターの声が違った」と言っていたが、天皇杯初戦敗退という受け入れがたい事実を突きつけられながら、再び自分たちを鼓舞してくれるサポーターに選手たちの闘争心は間違いなく火が点いたことだろう。試合開始から、激しくボールを追いかける姿からは、この試合に賭ける意気込みが十分に伝わってきた。

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