「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】試合前から問題点を指摘していた小笠原。今後のために、忘れてはならない”大勝”/Jリーグヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦 ヴィッセル神戸戦(2015.10.11)

 試合前に配られたメンバー表を見るとレアンドロ、ペドロ・ジュニオールが怪我で出場できず、神戸の18人はすべて日本人という構成だった。強力な外国人選手の不在は、一見鹿島に有利に働くように見えるが、石井正忠監督の見解は逆だったのだろう。試合後の会見で、次のように振り返った。

「今日は神戸さんがサブの選手も含めて全員日本人選手ということで、なにか結束力が高くなる形で戦ってくると思いましたが、やはり立ち上がりからアグレッシブに僕たちのディフェンスの背後のところを突いて押し込んできた」

 神戸の迷いのない戦いはすばらしかったが、それにしても、ひどい内容の前半だった。先制点を奪うまでは決して悪くない戦いだった。16分、右サイドのスローインから、遠藤康がDFの前に身体を入れた赤﨑秀平の動きを見逃さずパスを渡し、赤﨑がペナルティエリアの深い位置に侵入していくと、ゴール前の神戸DFを釘付けにする。正面にいた中村充孝に気が付く選手はおらず、赤﨑のパスを受けた中村がダイレクトで蹴り込むと難なく先制点が転がり込んだ。これで2戦合計3-1。序盤で早くもリードを奪い、決勝進出はこの時点で堅いと思われた。しかし、ここから試合は一気に神戸ペースへと変わってしまったのである。

 

(残り 2789文字/全文: 3315文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ