「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【プレイヤーズファイル】GK1佐藤昭大/「『ソガからポジションを奪え』と言われてここに来たけれど、6年間、奪えなかった」(2015.11.28)

 今季はリーグ戦10試合に先発した。しかし、佐藤の力でチームを勝利に導いた試合はなかったと言っていいだろう。なかにはサポーターのため息を誘うプレーさえあった。契約満了に驚きはないかもしれない。

 当然、サッカー選手の評価はピッチの上でなされるものだ。クラブとしては、曽ヶ端と競える選手を探しており、新たなGKを獲得すれば、佐藤には第3GKの立場を強いることとなる。そのため、彼の将来を考えて契約満了を伝えたそうだ。しかし、これまで数多くの選手を見てきた鈴木満常務取締役強化部長をもってして、「人柄の良さは歴代でも1位、2位」と言う人物に、契約満了を伝えることはほんとうに心苦しかったそうだ。

 彼の人柄を知れば必ず次のステージでの活躍を願いたくなる。鹿島での経験を糧に、花開いてほしい。

 

 

■GK1 佐藤昭大選手

29歳という年齢でGKとしてはまだまだできると思うし、自分の気持ちと身体はまだまだできると思う。この世界なのでチームがあるかが問題なんですけど、そこは自分を必要としてくれるクラブがあれば、またチャレンジさせてもらいたいと思います。

チームには本当に感謝の気持ちしかないです。嫌な気持ちとかはまったくなく、自分としては覚悟を持ってやってきましたし、そのなかでプレーする機会も与えてくれた。チームが苦しい状況のなかで、自分が勝利に貢献できなかった、チームをうまく勝たせることができなかったことに関してはほんとうに申し訳なかったと思います。そういう意味で、このチームではやり切ったという言い方はおかしいかもしれないけれど、仕方がないかなと思います。

ただ、まだまだ自分としてもまだ選手としてやるつもりなので、ネガティブなことばかり言っていても仕方がない。また前を向いて、次のチームこそは、しっかり花が咲けるようにしたい。ほんとうにアントラーズに対しては感謝の気持ちだけです。

唯一、他の感情があるとすれば、やっぱり寂しいかな。それは会社の人も含めて、チームメイト、スタッフ、すべての人が紳士的であるし、それがアントラーズの強さだったと思います。その人たちと仕事ができなくなる寂しさだけはありますね。

 

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