「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【特別コラム】“自分たちのサッカー”という言葉が持つ意味と、石井正忠監督がチームに加えたもの/2016チーム編成・連載第9回(2015.12.09)

 本来、どこのチームでも自分たちが理想として描くサッカーを持っているものだ。むしろ、“自分たちのサッカー”を持っていないチームは、試合に勝てなくなってしまったときに立ち戻る 拠り所を失い、明確なスタイルを打ちだせないまま右往左往した末に下のカテゴリーに降格しているように見える。今季で言えば、清水エスパルスや大分トリ ニータというクラブがそうだったのだろう。

 とはいえ、“自分たちのサッカー”という言葉は、ザックジャパンの失敗によってネガティブな響きを持つようになってしまった。土壇場で勝負弱さを見せてしまう理由は、“自分たちのサッカー”にこだわりすぎてしまい、やってきたとおりのサッカーが気持ち良くできなくなったときの対応力の無さが原因だと、個人的には思うが、個別のチームが抱える問題がきっとある。それを探ることが本稿の目的ではないため、話はあくまで鹿島に限っていきたい。

 

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