「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】取り戻した自信と明らかになる課題/明治安田生命J1リーグ第15節 コンサドーレ札幌戦(2017.06.18)

 相手の3ボランチを走らせて、スライドが間に合わないところを仕留める。西大伍のスルーパスに中村充孝が抜け出した2得点は、まさに練習どおり、狙いどおりの形だった。ゴールを決めたのは山本脩斗とペドロ・ジュニオールだったが、中村が抜け出したところで勝負ありだった。見事な動き出しでパスを引き出した中村は、出し手の西を讃えた。

「出し手の人が見てるか見てないかの問題だった。二個とも大伍くんだったので、そこは大伍くんを讃えないといけないと思います。2点目の場面も大伍くんが持った時点で、相手がどういう感じできてるとか全部見れてたんで、あそこは完全に2人の関係で崩せたと思います」

 さらに、ペドロが得意の速攻からダメ押しとなる3点目を決める。守備面でも、先取点を奪ってから相手のアンカーである荒野拓馬がフリーになっていたため、FWがプレスのラインを下げることで荒野から自由を奪い、再び攻撃へのギアをあげる細かな修正にも成功。前半45分は賞賛に値する内容だった。

 ところが、後半になると前節同様の課題が顔をのぞかせる。多彩なタレントが揃うチームではあるものの、今後、より完璧な試合運びをするためには、ボランチの成長が不可欠となりそうだ。

 

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