テレビには映っていない大岩監督のロジカルな采配とは?/【レビュー】AFCチャンピオンズリーグ2018 上海申花戦
前半に2点を失う苦しい展開を見たとき、ここから勝点を稼ぐのはかなり難しいと思われた。それほど前半の鹿島にはいいところがなく、相手のプレスに苦しみ、満足にボールを受けられるのはレアンドロのみ。多くのサポーターが詰めかけた上海虹口スタジアムの雰囲気は、広州恒大ほどではないにしろ気圧される迫力を持っていた。
しかし、事実は違った。後半は完全に鹿島が試合の主導権を握る。守備は安定を取り戻し、パスのリズムも見違えるほど早くなった。3点目を奪えなかったのは残念だが、2点を奪って同点に追いついたのも偶然ではなかった。その背景には大岩剛監督のロジカルな修正があったことは忘れてはならない。
現在、大岩監督には逆風が吹き荒れている。試合内容の悪さを見ればそれも当然であり、この日の前半もここ最近の試合から変化はなかった。しかし、だからといって、なにからなにまで反好意的に捉えるのは間違っている。後半になり相手の質が落ちたことに助けられた面もあったかもしれないが、しっかりとした分析に基づいた戦術的修正が試合を動かしたことは、現場にいたものとして伝えなければならない。監督の采配は、この試合を動かす重要なファクターだった。
(残り 3660文字/全文: 4168文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ