「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

試合を決定づけた内田が示した方向性/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第8節 名古屋グランパス戦

公式戦での勝利は3月18日のサガン鳥栖戦以来5試合ぶり。カシマスタジアムでの勝利は3月3日のガンバ大阪戦までさかのぼらなければならない。ずいぶんと勝利から遠ざかっていたが、どんな内容でもやはり勝利の味は格別だった。決して美しい勝利ではなかったが、選手たちがいまできることに集中し、ピッチで懸命に戦っていることが伝わる勝利だ。

「いろんなことがあるなかで今日の試合の重要性というものをいろいろ選手に話しをしました。それで選手が気持ちの面も含めてピッチで表したプレーがすべてを物語っているんじゃないかと感じています。サポーターの方もあれだけの後押しをしてくれて、サポーターの皆さんに勝利を届けられてよかったと思います」

大岩剛監督の試合後の第一声もなにかを取り繕うこともなく、非常に実感がこもっていた。

試合後は大変だった。カシマスタジアムは遠いためアウェー担当の記者が来ないことも多い。そのため鹿島の選手のコメントを拾いつつ、アウェーの選手もカバーしなければならない。2得点を決めた金崎夢生、連敗脱出に導いたキャプテンの小笠原満男、その小笠原と2901日ぶりに一緒にピッチに立った内田篤人、リーグ戦初先発だった小田逸稀、初出場だった山口一真、そして獅子奮迅の活躍を見せた昌子源。

最初にロッカーからミックスゾーンに出てきたのは小笠原だった。

「まだ一つ勝っただけだけど、篤人の存在がでかい。いろんな奴に声をかけてチームに自信と安心をもたらしたと思う。あいつのおかげです」と、内田のことにわざわざ触れる。後ろからの声が増えた効果があったのか問うと「試合前から声をかけていた」と答えた。試合前「みんなで勝とう」と呼びかけたキャプテンが、わざわざ一人の選手の功績をたたえた。

 

 

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