「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

チームがなにを共有して試合に入っているのか見えてこない入り方/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第11節 横浜FM戦

いよいよ順位は15位まで下がってしまった。こぼれ球を押し込まれて先制されると、強烈な直接FKを叩き込まれ、前半21分で2点のビハインドを背負う、悪い流れのチームが陥る典型的な試合。

「ガチャガチャッとなった失点とセットプレーじゃん。たらればだけど、前半、こっちも1点、2点取れてたら…。後半早い時間で1点取れてたら…」

内田篤人もどうしたらいいのか首をかしげる。さらにカウンターから1失点し、結果的には0-3の大敗となってしまった。

 

試合内容としては互角。チャンスの数で言えばもしかしたら相手以上だったかもしれない。それでも相手は3点を奪い、こちらは1点も奪えていない。

悪かったのは試合序盤の入り方。それで試合の流れが決まってしまった。

 

普通に考えると、試合序盤というのは試合前の決め事が一番発揮される時間帯だ。試合が始まってしばらくすれば、当初想定していたものとは違い、それに対応する力が求められるが試合序盤は違う。ミーティングで共有されたはずの約束事を、試合開始と同時に忘れてしまうような選手は鹿島にはいないだろう。しかし、現地で試合を見ていたときも、試合映像を見直しても共通して感じるのは、果たしてチームの狙いは共有できているのだろうか、という疑問だった。

このチームは、これまで3度も序盤にオウンゴールで苦しい展開を招いた経験がある。それにもかかわらず、その反省が全く生きていなかった。この試合でもいきなりサイドを抉られあわやという場面をつくられた。

 

 

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