「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

今季初の連勝をもたらしたコンパクトな守備陣形/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第13節 浦和レッズ戦

試合前、内田篤人が次のように語っていた。

「いちばん底は抜けたかな、という感じはします。チームの戦い方とか内容を見て、いい時間帯がない試合が多かった。それが少しずつ、自分たちの流れとかっていうのが出てきたことは、少しずつよくなっている証拠かなと思います」

J2昇格組の長崎から奪った1点差の勝利は、V字回復のための最初の一歩になるかもしれないが、いまはまだ右肩上がりの途上にいるのかさえわからない。しかし、次第にいい流れのなかにのっているのではないかという実感は浦和戦の結果でより強まった。

先制点を奪ったあと、気合いと根性で、そのリードを守り倒す。

どれだけ浦和が攻撃の枚数を増やそうとも、あわやというシュートシーンをつくられても、必ず誰かの足が伸びて決定的な場面を許さない。これまで分断していた選手たちの意識が一本の糸で繋がり、小さな綻びが生まれてもすばやく誰かが補修する。

まるでオズワルド・オリヴェイラが率いていた時代の鹿島がそこにいた。

 

 

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