「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

コンタクトに強い選手はフィジカルモンスターなのか?/【コラム】

数年前にギックリ腰になった。

運動不足を解消しようと思い、ジムに通い始めてすぐに筋トレとエアロビクスの要素が混じったプログラムに参加したら、その疲労が抜けず、ちょっと手を伸ばして子どもの椅子を持ち上げようとしたらグキッといってしまった。すぐにアントラーズのトレーナーだった小池謙雅先生がやっているトリガー鍼灸・整骨院に駆け込み、応急処置をしてもらった。翌日は柏レイソルとのアウェイゲームだったので冷や汗をかいたが、小池先生のおかげで問題なく取材ができた。

身体を鍛えるつもりが、なんの知識もないまま負荷が高いトレーニングをしたことで本末転倒の事態を招いたことは、いい意味で意識を変える結果に繋がった。おかげで自分の身体に対する興味は強くなり、自分を実験台にすることでなにをどうすればどうなるのか、少しはわかるようになってきた。ギックリ腰を経験しなければ、お尻の筋肉を伸ばすことが腰痛を予防するとは思いもしなかっただろう。

 

自分を実験台にする日々を続けていると、ときどき疑問が湧くことがある。

その一つが表題にあげたコンタクトに強い選手たちのことだ。このW杯で言えば大迫勇也だろう。結局、どの試合でもポストプレーは抜群に安定していた大迫はフィジカルモンスターと言えるだろうか。鋼のような肉体を持ってはいるが、彼は名だたるDFにパワーで勝っていた訳ではないだろう。場合によっては力が抜けているようにさえ見えたはずだ。

少し前の日本代表なら中田英寿さんは球際の競り合いで外国人選手を相手にしても、まったく引けをとらない強さがあった。youtubeで検索すると彼もまた”フィジカルモンスター”と形容されているが本当にそうなのだろうか。

 

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