「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

忠実さが生んだ勝利と、そのデメリット/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第23節 横浜Fマリノス戦

 カオス。それは、天地創造以前の世界。混沌を意味する。

 対戦相手については、すべての試合を見ているわけではなくあまり深く言及したくないが、横浜F・マリノスが見せたサッカーはまさにカオスだった。6-2で大勝した柏レイソルに続き、所属する選手たちは深く同情したくなる。3人のディフェンス、両ワイドにはウィングバック、中盤は4人でダイヤモンド型を形成し、ワントップがいる不思議な陣形は、なにを狙いとしたものか判然としなかった。

 相手のポゼッション率は60%を越えた。しかし、そのほとんどは鹿島の守備ブロックの外周でまわされたもの。鹿島も無闇にボールを追わず、ブロックの中に入ったパスには厳しく対応する戦い方を選んだことが功を奏す。いい形でボールを奪ったときに、もっとシュートまで持ち込めれば、もっと点差がついていい試合だった。

 それも、初出場だったセルジーニョのコンディションがまだまだだったことを割り引けば、妥当な結果だったかもしれない。ラッキーパンチに沈むことなく1-0で勝利できてよかった。

 

 

(残り 1414文字/全文: 1895文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ