「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

一発勝負がもたらす好循環。確かな成長が感じられたリベンジマッチ/【レビュー】天皇杯4回戦 サンフレッチェ広島戦

 最も理想的な90分での勝利を手にすることはできなかった。しかし、リーグ戦で2連敗した相手にほとんどチャンスを作らせず、前回対戦でやられたセットプレーで先制点をあげ、追加点を奪う試合運びは見事なものだった。

「結果的に120分戦ったなかで、選手がこのスケジュールにも関わらずあれだけのパフォーマンスをしてくれるということに、本当に素晴らしいなと、ただ単に選手のパフォーマンスが素晴らしいなと驚いたと言うか、僕自身もすごく嬉しかったです」

 試合後の記者会見で大岩剛監督は選手たちを絶賛した。連戦のなかで、これだけのパフォーマンスを見せるとは驚きだ。120分と普段より試合に入り込んでいた時間が長かったせいか、記者会見に臨んだ大岩剛監督は言葉に詰まることが多く、なかなか適切なコメントを頭の中から導き出せず、会見が終わると居合わせた取材陣に照れながら謝罪する。ようやく張り詰めた糸が切れたようだった。スタジアムに集まった観衆はわずか3,800人を超える程度だったが、ピッチとスタンドが一体となっていた。まだまだ発展途上ではあるものの、現時点での力を出し尽くす、すばらしい試合だった。

 

 

 

 

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