苦悩する若鹿たち(その1)MF36田中稔也/【プレイヤーズファイル】
月曜、火曜の2日間は久しぶりのオフだった。連戦の合間に訪れたつかの間の休息は、次のタイトルへ向かう英気を養うためには大切な時間だ。立ち止まるタイミングもわからないまま走りつづけた主力選手に取ってみれば、自由に過ごせる時間は、疲れた体を癒やしてくれたことだろう。
しかし、まったく疲れていない選手もなかにはいる。田中稔也の足は自然とクラブハウスに向かっていた。
「悔しかったんでクラブハウスに来て練習していました」
誰もいないグラウンドでひたすらスプリントを繰り返す。
「なんで試合に出られない」
澱のようにたまる悔しさを、地面に突き刺すように踏み込む。
なぜだ、なぜだ、なぜだ。
いくら走っても気持ちは晴れなかった。
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