伊藤翔の存在感/【レビュー】明治安田生命J1リーグ第3節 湘南ベルマーレ戦
わかっていたとは言えもう少しなんとかしたい。ピッチに描かれる絵は湘南の方が遙かに鮮明であり、一人少なくなってもファイティングスピリットを失うことなく鹿島を追い詰めた。
前半終了間際に岡本拓也が2枚目の警告を受けて退場。湘南は後半45分を丸々一人少ない状態で戦ったが、時間帯によっては互角以上の展開に持ち込んでいた。
永木亮太が「相手も逆に割り切ってやってくることもわかっていたんですけど」と言うように、湘南にすれば一人少ないからこそ思い切ってチャレンジできた部分もあっただろう。試合後の曺貴裁監督のコメントを見ても「今日のカシマスタジアムでのこの一戦を、僕は開幕前から非常にたのしみにしていまして、昨年ACLを取られた自力と経験のあるこのチームに対して、早い時期に自分たちがどれだけ仕掛けてやっていけるかというのがひとつのポイントだった」と話している。第3節という早い段階で、自分たちがどれだけできるのか思い切ってぶつかっていく心づもりがあったのだろう。退場者が出ても意欲を減退させることなく、選手たちに伸び伸びプレーさせたことは曺監督のすばらしい意識付けがあってのことと思われる。
とはいえ、一人少ない相手に良さを出させてしまったのは、逆に言えばこちらが相手を困らせるようなプレーができなかったことにある。どうやったら相手の嫌な部分を突けるのか、得点場面以外はチームとして狙いを持つことができなかった。
(残り 2103文字/全文: 2742文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ