「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

団結力が問われるとき/【プレビュー】AFCチャンピオンズリーグ2019ラウンド16 サンフレッチェ広島戦

  AFCチャンピオンズリーグでの公式練習は1時間という制限がある。今回も冒頭15分のみが公開され、鹿嶋よりも強い日差しのなかで選手たちは汗を流した。公開時間の最後に行われていた鳥かごでは、遠藤康を中心に大きな歓声が響き渡り、選手たちもリラックスした表情を見せていた。怪我人の状態を横に置けばいい雰囲気が伝わってくる。試合に向けた高揚感も徐々に高まってきた。

 前日の公式会見に出たのはクォン・スンテだった。大岩剛監督と共に座るスンテにも落ち着きと威厳が漂う。AFCチャンピオンズリーグを3度制した経験はなににも代えがたい価値を生む。今大会でも、これから決勝トーナメントの厳しい戦いが連続する。スンテの存在は大きな助けとなるだろう。

 改めて、大岩監督のその存在について問うと、次のような答えが返ってきた。

「本人を目の前に言うのはあれ(気が引けるの意)なのですが、彼のこのチャンピオンズリーグにおける経験値というものは非常に頼りにしています。最後尾からの声であったり、存在感であったり、チームに与える安心感というものは非常に頼りにしながら戦っています。彼の経験をもって、昨年もトーナメントを勝ち進むことができました。今季に関しても非常にいいパフォーマンスをしてくれていますので、明日の試合もしっかりと後ろからの存在感、威圧感を出して、チームを引っ張ってもらえたらと思います」

 その瞬間、守護神は恥ずかさとそれ以上の嬉しさを隠そうとするようにうつむくのだが、どうしても笑顔がこぼれてしまうことに気を揉んでいた。続く質問で決勝トーナメントを勝ち進む秘訣を聞かれたときは、キッと前を向き、表情を改めてコメントを始めた。

「監督にそういう風に言われて、少し恥ずかしくて笑みが浮かんでしまいました。どんなリーグの、どんな大会の、どんな試合でも、簡単な試合は1試合もありません。GKとしての仕事は無失点で抑えることだと思っています。ただ、その無失点というのは僕一人でできることではありませんし、他のみんなの力を借りて無失点にすることはできると思っています。秘訣と言えば、みんなの集中力であったり団結力だと思っています。いままでいい準備をして来ていますし、監督が言うことがすべてだと思いますので、僕もそこに集中して、明日の試合は必ず勝って次のラウンドに進みたいと思います」

 まさに、この試合はそこが鍵になる。団結力を問われる試合となるだろう。

 

 

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