「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

それでもタイトルを取り続ける/【プレビュー】明治安田生命J1リーグ第19節 ベガルタ仙台戦

 12日、14時に安部裕葵のFCバルセロナへの移籍が発表された。10番の移籍は大きな出来事であるが、クラブは大きな動揺を見せることなく、静かに、そして温かく彼を送り出した。

 昨季の植田直通、金崎夢生に続き、今季も安西幸輝と安部裕葵がチームを離れた。怪我人も多いなかでの主力選手がいなくなることは指揮官としては辛いところだろうが、大岩剛監督は「この世界、特にこのチーム、このクラブは起こりうること」とし、「僕個人のサッカー人、監督としての立場を外してもらうと、それは彼らのステップアップのチャンスはそうそうあるものではないので、個人としては応援してあげたい」とエールを贈った。

 クラブの歴史を振り返ると、これまでも多くの選手が鹿島を巣立っていった。いまも現役を続けている選手で言えば、内田篤人はすでに帰ってきたが、大迫勇也、柴崎岳、植田直通、昌子源、安西幸輝、安部裕葵。名前を挙げても彼らだけで日本代表と同じ力を持ったチームさえ組めそうな錚々たるメンバーが並ぶ。

 誰が見てもチームとして痛手だ。戦力ダウンは否めない。しかし、「それでも鹿島は変わらずタイトルを取り続ける」(内田篤人)というのが、クラブに流れる姿勢だ。

「チームとして一杯出しちゃって大変なんじゃないかというのはあると思うけど…」

 そう前置きした内田篤人は、安部裕葵がチームに別れの挨拶を述べた場面を思い起こしていた。

 

 

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