「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

未来は見えたが結果は得られず/【レビュー】AFCチャンピオンズリーグ2020 プレーオフ メルボルン・ビクトリー戦

 相手のメルボルン・ビクトリーが3バック、最終ラインに吸収されるWBを含めると5バックをしいてくるとは誰も予想していなかった。相手を分析するために「5試合を観た」というザーゴ監督。「5試合で3バックでプレーしたことはなかったので、試合が始まったときは驚きました」と素直に認めていた。

 超短期間で詰め込めるだけのことを詰め込んで臨んだ一戦だったが、やはり時間は足りなかった。監督が求めることをしっかりできていた部分もあれば、まだできていない部分、試合勘が戻っておらず表現できなかった部分も多かった。

 まず、相手は[5-4-1]もしくは[5-2-3]に見える布陣だった。ボールを奪えば前線の3人、つまり中央の#7ケンジョク・アティウ、右の#9アンドリュー・ナバウト、左の#10ロビー・クルーズにボールを託し、守備になっても基本陣形は変わらない。ザーゴが目指すサッカーの全貌はまだ見えていないが、これまでやってきたことを推測するに、鹿島は#7を外すところからビルドアップを始めなければいけなかった。

 しかし、そこがなかなかうまくいかなかった。

 

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