「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

一つに束ねる難しさ/【鹿島の流儀】

 今年1年のスケジュールが変わってしまった。AFCチャンピオンズリーグに出られないショックは大きい。カレンダーから直さなければならない。それは選手たちも同じ。ACLの戦いはJリーグとはまったく違い、やったことがない相手と違う駆け引きを楽しめる。その大会に出られないことを残念がっていた。

 驚いたのは天皇杯決勝を戦い、満足も与えられないまま新たなシーズンに入った昨季からの主力選手たちの多くが「自分を使って欲しかった」と話したこと。彼らにとっては休みよりも敗戦の方がこたえるのだろう。また、新しく入ってきたばかりの選手たちに敗戦の責を負わせてしまったことにも申し訳なさそうだった。

 もっとああした方がよかった。こうした方が勝てたかもしれない。選手だけでなく、敗れたことを知った誰もがそうした意見を持ったことだろう。しかし、もう時計は戻らない。今年はACLに出ることができない。

 条件はかなり厳しかった。

 主力選手たちが合流したのが16日。プレーオフが行われたのは28日。わずか12日しかなく、そこでコンディションを整えつつ、ザーゴのサッカーを浸透させるのは不可能だった。未完成なのを承知で少しでも浸透していた新メンバーを中心に戦うのか、昨季までの主力を土台にとりあえずできることをやるのか、どちらの戦い方が正しかったのか論じることはあまり意味がない。いずれにしても、確かめる術はない。

 いま、鹿島は移籍して来た選手たちが多くなった。彼らは様々な背景を持って鹿島にやってきた。それだけに、一つの局面に対しての対処の仕方は、それぞれ違う絵を描いてもおかしくない。サッカーに正解はなく、そのどれもが正しいと言える。

 そこで大事なのは、ベクトルを一つに束ねること。

「俺はこう思う」「オレはこっちの方がいいと思う」

 そうやって出た意見を一つにまとめること、である。

 

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