言葉にできない強さとのしばしの別れ/【コラム】2020年シーズンの展望
練習試合の映像を見ていると、改めて選手が大きく入れ替わったことを感じさせる。活躍している選手は和泉竜司やエヴェラウド、上田綺世、荒木遼太郎といった新加入や在籍年数の短い選手たちだ。監督がアントニオ・カルロス・ザーゴに変わり、戦い方も大きく変わる。いままで鹿島が持っていた得体の知れない強さは、一旦、脇に置いておく必要があるかもしれない。
これまでは、ピッチで起きている変化を見つけ出し、それをチーム全体で共有して臨機応変、変幻自在に戦い方を変え、勝機を掴んできたのが鹿島であり、「したたかさ」や「勝負強さ」を生んできた。しかし、「時代の変化」に伴い「チームを完成しきれない」事情に見舞われていることは、これまでのコラムでもレポートしてきた。そのため、クラブはザーゴ監督を招聘し、明確なゲームモデルを持って試合に臨もうとしている。
相手の出方をうかがってそれに合わせて戦い方を変えるより、自ら打って出た方が主導権は握りやすい。強いチームにも弱いチームにも、どんな相手にも後手を踏むことが多かった試合内容を変えるためには、この変化を受け入れる必要があった。
ただし、それは明確である以上、鹿島がやってくることが相手にもわかる状態をつくる。こちらが主導権を握るためにとった対策を、逆手に取られる可能性も秘めている。
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