「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

停滞感との戦い。シーズン最初の劇薬投与/【コラム】追憶のアントラーズ(09シーズン②) 

 これまで書きためてきた取材ノート51冊をふり返りの第9回目。

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 同じメンバーが続くことによる停滞感。3年目を迎えるオズワルド・オリヴェイラ体制は、この停滞感との戦いだったと言っても過言ではない。

 開幕戦はすばらしい試合内容だった。3月7日のJリーグ開幕戦は、ホームに浦和レッズを迎える注目度の高い試合だったが、[4-4-2]の浦和を高速カウンター2発で一蹴。前半、曽ヶ端準のロングキックを受けたマルキーニョスが平川忠亮を弾き飛ばしながらかわし、中央に走り込んだ野沢拓也がかすかにコースを変えてフォアに流し込む1年目も見事だったが、後半に見られた鋭い一撃は欧州リーグのゴールハイライトに混じっても遜色ないハイレベルな得点だった。

 相手の右CKを弾き返したところから全員が一気に押し上げ、マルキーニョスの落としを野沢が受け取り、左サイドを走っていた内田篤人へ渡すと内田は間髪入れずに右サイドへ展開。パスを受けたマルキーニョスの前のスペースを興梠慎三が、右横のスペースを青木剛が、興梠がつくったスペースに野沢が狙うことで、浦和ディフェンスの注意を引く。さまざまな選択肢が生まれたことで守備の狙いを絞らさないと、マルキーニョスが空いたコースを鋭く射貫くとゴールネットが揺れる。

 前年のシーズン途中に左膝に大怪我を負った小笠原満男が尋常ではない早さでリハビリを行い、この試合でもベンチ入りするまでに回復していたが、ボランチで先発したのは本山雅志だったことがいい緊張感を生んでいたのかもしれない(左MFはダニーロ)。

 

 

 途中出場したキャプテンは「いい形で勝てた。すぐにACLもあるので今日みたいに勝ちたい。全タイトルのためにどれかを疎かにしないようにしたい」と話した。

 しかし、そのACLでは水原三星に思わぬ大敗を喫することになる。

 

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