「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

選手の特長を生かした配置変更で初勝利を狙え/【プレビュー】明治安田J1第5節 横浜Fマリノス戦

 ザーゴ監督が施す攻撃のトレーニングは守備側を入れずに行う“シャドートレーニング”であることが多い。パスをまわしながらサイドを崩すパターンはいくつも用意されているが、その多くがクロスからのフィニッシュとなる。ボールがテンポよく動き、最後のクロスもピタリと合えば得点をイメージするのは簡単だが、そこにディフェンスが入れば状況がまったく変わることも容易に想像できる。思惑どおり綺麗に崩せることの方が少なく、実際は即興に近い判断が求められる。動き出すタイミングや一拍置いたパス出しなど、ゴールに向かう過程のなかでどれだけ微調整できるかどうかが得点の成否を分けている。型は決まっているがそれをゴールに結びつけるのは簡単ではない。

 確かに、どんな型でも、“うまくハマればそうなるけど、そうならないことの方が多いよね”と見える側面はある。しかし、いまの状況のように無得点(オウンゴールを除く)が続いていればなおさらだ。ザーゴ監督が提示する型でゴールが生まれていれば、それを防ぎに来る相手を”動かす”ことができ、そこからさらに次の手を打つこともできるが、肝心の得点が無ければそうした想像の余地も生まれない。なにがなんでもゴールという結果をあげないと、この苦境を脱することはどんどん難しくなっていくだろう。

 ただ、今節は複雑に絡まり合っていたゴール前が非常にシンプルに変わりそうだ。それぞれの特長が噛み合うシンプルさは、相手にすればそれだけ防ぐのが簡単かもしれない。しかし、これまでのように苦手なところでも勝負しなければいけないところから、自分のよさを発揮すればゴールにつながる仕組みに変わったことで、選手たちは自分の特長を出すことに集中できているように見えた。

「なるほど、これならゴールが生まれるかもしれない」

 練習では、そう思える配置になっていた。

 

 

 

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