「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

鮮やかな逆転劇の裏側で/【レビュー】明治安田J1第21節 横浜FC戦

 これまでもよくあったことだが、この試合もスタジアムで感じた印象とDAZNを見返したときの印象が異なる試合だ。ただ、実際にその場にいることで感じられる闘争心、覇気、熱量といったチーム全体から発せられるエネルギーの塊は、スタジアムでこれを観ているファン、サポーターのエネルギーと相まって試合にとって重要な要素となる。それを抜きにして、この試合を語ることは少しフェアではないだろう。

 最初のプレーで犬飼智也のファウルを取られ、相手に与えたFKから失点というおよそ考えられる最悪の部類のスタートを切ったことでチームは揺らぎ、ゴールキックから丁寧につないでくる相手にビルドアップをまったく封じることができなかったことで、チーム全体が意外なほどあっさりと統一感をなくしてしまった。

 そして、松尾祐介による見事な2点目。その瞬間、スタジアムは間違いなく凍り付いていた。

 

 

(残り 4750文字/全文: 5165文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ